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処世術と人の機微を身につけるためには落語!?
長い間、仕事を続けてるとビックリするような依頼が来たりもするんだよ。リチウムイオン電池、プラズマディスプレイの部品……ほんと、国内・国外を問わずいろんな所から仕事もらってるね。ちなみに、俺は一切営業とかしないし、見積も出さねえよ。よそに出来ない仕事を、やる。最後までやり遂げる。それだけ。結果を出せば、カネも、次の仕事も後からついてくるんだよ。
この工場には小泉さん(小泉純一郎 総理大臣)も来たし、奥田さん(奥田碩 経団連会長)も俺が働いてるところを見に来たんだぜ。世間じゃ、株やら投資やらで騒いでいるけど、職人は自分の手で作ったモノしか信用できないんだ。それを評価してもらえるのは嬉しいもんだね。不可能を可能に変えるオンリーワン企業を目指すには、小さくてフットワークのいい中小企業の方が有利なの。ちょっと目線を変えて頭をひねられるかどうかだな。
頭をひねるといえばさ、落語の『蔵前駕籠』って話、知ってるかい? 幕末の不景気な時代の話だな。日本橋、神田辺りから吉原へ向かう蔵前通りには、たちの悪い追い剥ぎが出てたんだ。当然、吉原へ向かう客は激減するわな。そこに「客の少ない今、吉原に行けばモテるに違いない」という男が現れるわけ。その男は、駕籠に乗る前から裸になって、着物と金を座布団の下に入れたんだ。そしたら追い剥ぎが現われても、裸なのを見て「すでに剥がれた後か」と騙されて去っていくっていう……。
俺はさ、この話に、現代に通じる処世の知恵と人の機微が隠されてると思うんだよな。落語は市井の人が活き活きと動いている古典の世界。そこには俺が、若い頃に向島の下町で学んだ「教え」に似た、人生のお勉強があると思うんだ。近所の人に人生を教えてもらえない今の人は落語を聞くことをオススメするよ。きっと仕事にも役立つんじゃないかな? |
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取材・文/mashroom.jp、QBQ
撮影/mashroom.jp
取材協力/岡野工業
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