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| ついつい見過ごしがちな「素朴な疑問」を、月刊チャージャー的に問題提起するシリーズ企画。今回は「住基ネット」に注目してみた。忘れちゃってる人も多いと思うけど、もう住基ネットはとっくにスタートしてて、僕らには「住民票コード」と呼ばれる番号が付けられている。でも「住基ネットが役立った」と実感してる人って、どのくらいいるんだろうか? 膨大な税金を投じて構築したシステムなんだろうけど、ムダなんじゃないの? そこんとこ、国の所管部署である総務省自治行政局市町村課に直撃質問してみたぞ! |
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住基ネットとは、市町村が個別に作成する住民基本台帳をネットワーク化して、全国共通で本人確認するためのシステムです。目的は、「住民の利便の向上」と「行政の合理化」という2点。具体的には、今まで住民票の写しを添付することが必要だった申請や届出が、住基ネットを活用することで、住民票の写しの添付が不要となります。たとえば、パスポートの申請には従来住民票の写しが必要でしたが、住基ネットの導入によって住民票添付が不要になりました。
また、高齢者が年金を受給するには、毎年、自分が生きていることを証明する「現況届」を年金支給機関に提出します。ところが、年に1回の提出なので、途中で受給者が亡くなっても支給が続いて過払いが起こってしまうことが少なくありませんでした。住基ネットの導入で、そうした間違いを防ぐことができるのです。さらに、従来の紙ベースでやりとりしていた本人確認の事務に関わる郵送料や人的コストなど、行政コストの軽減につながっているんです。 |
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システムの構築には約390億円。平成18年度の運用には自治体のコストを含めて、全国で約140億円の費用がかかっています。
財団法人 社会経済生産性本部の試算によると、住基ネット活用によるベネフィット(利益や恩恵、効用を意味するマーケティング用語)は、現在でも年間約183億円とされ、運用費はほぼ賄えています。また、今後順調に利用が拡大すれば、数年後にはベネフィットが年間917億円に達するとされています。 |
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まず、住民票コードとは住基ネットで本人確認情報を検索するための、無作為な11桁の数字です。これは、本人の申請によっていつでも変更できます。
住民票コード、すなわち住基ネットを利用できる機関と事務については、法律で明確に限定されています(取材時に提示された住民基本台帳法 ※別表1〜5を参照)の分厚い本では17ページにわたって利用範囲が明記されている)。もちろん、民間が利用することは禁止されています。もし民間での契約に住民票コードの告知を要求したり、住民票コードが記録されたデータベース(他に提供予定のもの)を構成した場合、都道府県知事は中止勧告や中止命令を行うことができ、中止命令に違反すると刑罰が科せられます。
具体的な活用実績は、下記のようになっています。
<参考>平成17年度の活用実績
●国の行政機関等に対し、年間約3000万件の情報提供
●地方公共団体において、年間約360万件の情報提供
●年間約510万件の現況届等が省略
●年間約370万件の住民票の写しの添付が省略
●年間約430万件の転入通知をオンライン化
平成19年度からは、厚生年金や国人年金の現況確認にも利用されることになりました。そうなると、年間でさらに約2600万件の現況届が省略されます。ほかにも、今後さまざまな行政サービスの中で、住基ネットの活用が広がっていく見込みです。ちなみに、警察や税務署で住民票コードを利用することは今の法律では認められておりません。
もちろん、セキュリティについても万全を期しています。第一に、住基ネットにおいて保有されている情報は、4情報(氏名、住所、性別及び生年月日)、住民票コードと、これらの変更情報に限定されています。また、これらの情報をもとに、住基ネットの各利用機関が保有する情報を収集してデータマッチングすることはできません。
第二に、外部からの侵入を防止するための対策を講じています。例えば、通信回線は専用回線を利用するとともに、ファイアウォールによる厳重な通信制御を行っています。さらに、通信を行う際には、データを暗号化しています。
第三に、内部の不正利用を防止するための対策を講じています。たとえば、操作者用のICカードとパスワードにより、住基ネット端末の操作者を限定していますし、住基ネットを使う業務の担当者には、刑罰によって担保された守秘義務が課されています。また、業務外で住基ネットの情報を閲覧した場合は懲戒処分の対象になります。さらに、コンピュータの使用記録を保存することにより、万一不正利用が発覚した場合も追跡調査ができるようにしています。
このほか、自分の情報が住基ネットからどこの行政機関に提供され、何の事務に使われたかについては、お住まいの都道府県に対して請求していただければ、開示する仕組みが整っています。このような措置により、住基ネットについては、平成14年8月以来、安定的に稼働しています。
●次のページは、「とはいえ。住基カードって?」 |
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【回答してくれた人】
総務省自治行政局市町村課
住民台帳企画官 福浦裕介さん
ちょうど取材期間中に大阪や金沢で住基ネットに関する訴訟の判決があったりして多忙を極めるなか、直撃質問に応じてくれた。住基ネット行政の中核で敏腕を振るうキーパーソンだ。 |
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総務省自治行政局市町村課
総務事務官 合田 悠さん
福浦さんが率いる部署のスタッフで、取材申込みの段階から、対応してくれた担当者。合田さん自身、目黒区の写真入り住基カードをちゃんと所有していた。今回の直撃質問では、福浦さんが回答しながら、具体的な事例や数値などに関して合田さんが補足するスタイルで行った。 |
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【Column】
多摩市役所多摩センター駅出張所で
キティちゃんイラスト入り住民票をGET!
住基ネットのメリットのひとつが、住基ネットに接続している自治体なら、全国どこでも自分の住民票の写しを発行してもらえることだ。サンリオピューロランドがある多摩市役所の、多摩センター駅出張所で、キティちゃん住民票が入手できると聞いて、早速行ってみた。駅前のショッピングビル8階にある出張所。平日の午後で窓口はガラガラだったけど、10分ほど待って発行された「広域交付住民票」がコレ。うむうう。率直にいって、もう少しデザインはなんとかならなかったのかな、と。
多摩市のほかにも、鳥取県の境港市では、ご当地出身漫画家、水木しげる氏の代表作『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクターが透かしで入った住民票を発行しているという。また、埼玉県春日部市では2003年に市政50周年を記念して、日本一有名な春日部市民、『クレヨンしんちゃん』の野原家に住民票を発行し希望者に配布するなど、キャラクター住民票が一時期全国的なブームになったことがある。
ちなみに、交付手数料は通常住民票が200円のところ、倍の400円。住基カードはまだ持っていなかったが、運転免許証の提示で発行してくれた。どうせなら、スタンプラリーみたいに、全国各地でご当地デザインの住民票が取得できれば面白いとも思ったが……。せっかく取ったキティちゃん住民票。使うアテはないんだよなぁ。 |
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