青覆面 っていうか、締切ぎりぎりじゃないと原稿書く気にならないんだよな。
赤覆面 なまじ時間に余裕があると、たった20文字のキャプション(写真の説明文)に1時間も悩んだりする。ぎりぎりになると10秒で書けるけど。
黄覆面 そもそも、面白い原稿を締切前に手に入れようなんていう編集者が間違ってる。追いつめられて頭掻きむしらないと、ミラクルが降臨しないんだ。
赤覆面 ミラクル?
黄覆面 あるでしょ、ミラクル。後で自分で読み返しても「オレ、こんな言葉の意味知らないぞ」みたいな。さんざん悩んで、ミラクルなフレーズがひとつ降りてくれば、あとは一気に書き進める。
青覆面 ああ、自分で書いた言葉を忘れちゃってるのはよくあるね。編集部から送られてきた掲載誌を読んで、お、この記事面白いじゃんって思ったら、自分が書いた原稿だったりして。
赤覆面 どうせ編集者もサバ読んで1日や2日の余裕はもってるし。
青覆面 企画の意図があって取材して、原稿を書くのは取材した収穫を切り捨てる作業だもんね。思い入れあるし、締切に追いつめられないと、もったいなくて捨てられない。
黄覆面 長編のインタビューとかじゃない限り、雑誌の原稿の文字数ってそんなに多くないからさ。面白さをいっぱい詰め込もうとしてもダメなんだよね。200字とか300字くらいの原稿なら、面白いところはひとつでいい。欲張ると、何を言いたいんだかよくわかんない原稿になっちゃうんだよな。
赤覆面 神経質に「真っ白のページになっちゃうよぉ」なんて電話してくる編集者もいたりするけどさ。私は雑誌で真っ白のページって見たことないし。
青覆面 ま、僕らの人生がなんとかなっちゃってるみたいにさ。締切なんてそんなに気にしなくても、世の中なんとかなるんだよ。
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