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太田光を黙らせる決めゼリフ、
“じゃ、社長辞めてやる!”
自分が社長になるとか、会社を経営するなんて、それまで微塵も考えたことはありませんでした。でも、経営って意外と楽しいって、始めて一週間くらいで気付きましたね。会社にしようと決めて、ワニブックスとかの会社経営の本をいっぱい読むんですけど、不思議と頭に入ってくるんですよ。会社にしてからは現場マネージャーをちゃんと採用して、私は経営に専念しています。数字との格闘ではあるんですけど、会社独自のフォーマットを作っていく作業も、パズルみたいで楽しかったんです。
社長として心がけているのは、できないことはできないと、はっきり言うことですね。中途半端なお答えをすると、相手が期待持っちゃうじゃないですか。番組のプロデューサーやスポンサーさんもお忙しい方ですし、中途半端なままだとお互いの時間をムダにしてしまうでしょ。話し合えばなんとかなると思えば、一生懸命お話しますけどね。
社長を「辞めたい」と思うことはないですけど、「辞めてやる!」って家ではよく言いますよ(笑)。私もタレントだった頃は、家で太田の仕事の話を聞くのは大好きだったんです。でも、会社になってからは、太田がタレントとして社長の私に「聞きたいこと」が増えてきた。仕事先との関係とか、いろいろ探ってくるんです。でも、社長としてタレントには聞かせたくない話もあるじゃないですか。最初は「そんなこと心配しなくて大丈夫よ」って優しくなだめるんですけど、しつこいと段々イライラしてくる。で「もう聞かないで! そんなんだったら辞めてやる!」って。すると、たいてい黙りますね(笑)。
自分自身、コメディ女優という夢からは離れてしまったけど、新たな目標に一歩ずつ近付いている実感はありますね。今、阿佐ヶ谷でハーブのお店を開いています。お医者さんにはなれなかったけど、ハーブとアロマを組み合わせたココロを癒すクリニックのような場所が作りたいと思っているんです。
会社としては、太田が「映画を撮りたい」というのは部屋に居着いたその日から聞いていて、ぜひ実現させたいと思っています。今、とにかく脚本を書くようにお尻を叩いてて、実際に彼はやっているはずです。こないだ、パソコンを開いたらそういうフォルダがあったので。中は見てないですけどね。彼が45歳くらい、あと4〜5年で処女作が公開できるといいなと思っています。
私自身、コメディ女優になりたいと思ったのが、あるアメリカの映画がきっかけだったんですね。タイトルも忘れちゃったけど、その映画に登場したレストランシアターが印象に残っているんです。ゆったり食事ができる二階席もあるレストランで、スタンドアップコメディアンがライブをやるステージがある。銀座とか、青山とか、東京の大人の街にそんなお店を開くのが新たな夢かな。そのためにも、太田の映画はヒットしてもらわないと、ね(笑)。
つい最近、太田と約束したんです。「60歳になったら2人で世界一周旅行をしよう」って。会社を立ち上げてから休みなく働いて、2人で旅行なんて行けないんですよ。「私たちって、夫婦の人生としてはかわいそう過ぎるよね」って話して(笑)。歳をとったら、太田には小説を書いてほしいなって思ってるんです。文才あると思うんですよ。60歳、70歳になって芸人としてバリバリ働き続けるのもキツいだろうし。あの猫背が、さらに曲がっちゃうだろうしね。ゆったりと歳を重ねつつ、小説を書く彼と一緒にいられたら、幸せだなって思ってるんですよ。 |
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構成/寄本好則(三軒茶屋ファクトリー)
撮影/寺川真嗣
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