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好きが高じてわらしべ社長
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【逸話】好きが高じてわらしべ社長/有限会社大平技研 代表取締役社長・プラネタリウムクリエイター 大平貴之 プラネタリウムを作るまではちょっと危険な子どもでした。
 
■PROFILE 大平貴之
ギネスブック認定の世界最高性能のプラネタリウムを個人で生み出したプラネタリウムクリエイター。1970年、神奈川県生まれ。日本大学大学院理工学研究科修了。株式会社ソニー勤務を経て、2003年に独立。2005年、有限会社大平技研を設立する。大学時代には個人開発としては世界初となるレンズ投影式プラネタリウム「アストロライナー」を開発し、1998年には恒星数100万個の「メガスター」、2003年には恒星数410万個の「メガスターII」を発表。著書に『プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万個の星』がある。
俳優・唐沢寿明氏と共演した「ネスカフェ ゴールドブレンド」のCMは、記憶に新しい。通常のプラネタリウムで再現される星の数はせいぜい数千から2万個。ところが、彼の『メガスター』は、500万個の星を再現する。世界最高性能のプラネタリウムを、「個人で」作り上げてしまったクリエイターとは、いったいどのような人物なのだろうか。

植物、放射性鉱物、アニメーション。
次から次へと「自作」する小中学生。


「どうしてプラネタリウムに興味を持つようになったんですか?」とよく聞かれるんですけど、きっかけは全く思い出せないんです。少なくとも小学校低学年の頃には、天文には興味がなかったはずなんですよね。望遠鏡で月を見せてあげるよ、という話があった時に、当時はあまり興味を持たなかったことを覚えていますから。

有限会社大平技研 代表取締役社長・プラネタリウムクリエイター 大平貴之
幼稚園の頃の僕は、東京タワーが好きだったらしいです。自分では覚えていないのですが、「あなたは東京タワーが好きだったわよねぇ」と母親に言われます。よく東京タワーの絵を描いていたらしいですが、何でも、鉄骨の1本1本までこだわって、正確に描き込んでいたらしいです。自分では全く憶えていないんですが。

物心ついて次の興味の対象は、植物ですね。きっかけは、学校の理科の授業で植えた朝顔や、学研の付録についていたひまわりの種です。はじめて芽が出たときの感激は今でも覚えています。こういう小学生の定番植物から始まり、どんどんエスカレートしていって。小学校1年の頃から、母親が協力してくれたこともあって、近所の空き地を畑として使わせてもらい、ピーマン、なす、とうもろこし、じゃがいもにさつまいも、しまいには稲とか…、いろいろな作物の栽培に挑戦していました。

石(鉱物)に夢中になった時期もありました。近くの河原で石を集めるにはじまって、山梨の乙女鉱山まで水晶を掘りに行ったり、石油会社に勤めていた父の仕事のつてで鉄鉱石を貰ってきたり。中学生の時には福島のペグマタイトという鉱脈まで出かけていったこともあります。鉱物に熱心な中学生を興味深く思ってくれたのでしょう、現地の研究者が丁寧に指導してくれて、ジルコンやモナザイト(※放射能鉱物)なんかがかなりたくさん採れました。これは、人体には無害な程度ですが微量の放射線が出るのです。これをレントゲンフィルムで記録して、「希土類鉱物の放射能」として、夏休みの自由研究にして提出しました。ただ、残念ながら先生にはあまり評価されなかったですね。「もっと中学生らしいことをやれ」って。

学校のアニメーション部にあったカメラを使って、セルアニメを作ったりもしました。宇宙戦艦ヤマトが好きだったんですが、観てるだけじゃなくて自分でも作りたくなって、最初は教科書の隅に書いたぱらぱら漫画です。でもこれでは次第に飽き足らなくなって、テレビで観るような本物のアニメを作りたくなったんです。学校にアニメーション部がありまして、そこにあった8ミリカメラを使って撮影をしました。動画を描くために、セル(透明なアニメ用のフィルム)を買ってきて1000枚くらいのセル画を描き起こして撮影。友だちを主人公にした、5分間くらいのアニメを作りました。

真空管を作ろうとしたり、ジェットエンジンを作ろうとしたり。電子レンジを作りたくて、作り方を聞くために電機メーカーに電話をかけて、「子どもには無理だから諦めなさい」と諭されたこともあります。次から次へと、忙しい子どもでしたねえ。常に新しく興味の対象が出てきて、その対象にどんどん深入りしていく。ずっとその繰り返しでした。

次のページは、「化学実験からロケット開発へ(危険なのでマネしないでください)」
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