業界の慣習に次々に異を唱えるライフネット生命だが、その成り立ちもユニークだ。社長の出口氏は、日本生命保険相互会社で辣腕を振るった保険のプロ。そのパートナーとして立ち上げに尽力したのは、ハーバード経営大学院に留学していた副社長の岩瀬氏。この岩瀬氏、ライフネット生命開業までの経緯をブログ化していたのだが、その読者の中に「あんたたちは甘い」とコンタクトを取ってきて、なぜかそのまま入社してしまった人がいるという。また、ファンド系会社で相当額の年収を得ていた人や京大を出て一度はアニメ制作の道に進んでいた人など、一筋縄ではいかない経歴の持ち主がライフネット生命へ集まっている。
「動物園のような集団ですが“人生を豊かにするための保険を、わかりやすく、安価に提供しよう”という理念への思い入れは強い。理念のまわりに人が集まった感じですね」(前出・菅氏)
その理念こそが、同社最大の強みだと菅氏は語る。理念を守るため、独立性を保持しようという姿勢も強い。たとえば同社の株主には17社が名を連ねているが、いずれも保有比率は20%未満。主要株主がいない状態を作り出している。

「ネットの活用では損保や証券に比べだいぶ遅れをとっている生保ですが、今後は既存各社も参入してくるでしょう。それが業界全体における保険料の引き下げにつながるのなら、私たちにとっても望ましいことです。ただ、ライフネット生命の持つ理念、独立系としての強さは、簡単に追い抜かれるようなものではないと思います」(前出・菅氏)
消費者を守り、豊かにするはずの存在でありながら、どこかで消費者を置いてきぼりにした感もある生保業界。そこに一石を投じる異質の存在が現れたことは、歓迎すべきことだろう。機会があれば、同社のホームページをのぞいてみるのもいいかもしれない。加入するかどうかは別にしても、保険についての概論をわかりやすく語ったコンテンツも多く、改めて保険を考え直すきっかけになるはずだ。
余談だがこのホームページ、最近ちょっとしたリニューアルを行った。訪問すると必ず表示されていた、重いflash動画を省いたのだ。消費者の目線に合わせ、常に自らを改善していく姿勢。小さな改善に過ぎないが、こうした細部にこそ、企業の事実が現れるのかもしれない。 |
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