carview! PR企画 掲載期間:2019年6月18日〜2019年7月17日 | sponsored by ジャガー・ランドローバー・ジャパン

未来的ながら室内にはクラフトマンシップの暖かみも

ミドシップのようにキャブフォワードになったが、後方にパワートレーンがあるはずもないため、5シーターのキャビンは広くとられている。室内長が長くとれているので後席レッグルームやニールームに余裕があり、同クラスSUVと同等以上だ。インテリアは10インチと5インチのタッチ画面で構成される最新のインフォテインメントシステムなどデジタライズが進んでいるが、BEVだからといって未来的にクールに仕上げるだけではなく、シートのステッチをはじめ随所にクラフトマンシップの暖かみが感じられるのがジャガーらしいところだろう。

シートに腰掛けてみれば、その洗練された空間にまずはうっとりとさせられるが、「運転しやすそうだな」ということにも気付く。全幅が1895mmもあるが、ショートノーズなので車両感覚が把握しやすく、適度に高めのアイポイントで視界もいいのだ。とくに、サイドミラーがAピラーと離されドアに付けられていることで左右の確認がしやすい。歩行者や自転車の多い日本の都市部での右左折時などに役立つだろう。

今回試乗したのは20インチ・タイヤを履きエアサスペションが装着されたHSEだったが、街中での乗り心地はタイヤの大きさや硬さを意識させることがなくて快適だった。ただ単にソフトタッチというわけではなく、路面の凹凸から受ける衝撃を素早く収縮させるので無駄にボディが動くことがなくて快適に感じさせる。高速道路ではロングホイールベースのメリットが生きる。ピッチングが少なく、動きがユッタリとしているので大型クルーザーのように落ち着いているのだ。

BEVを始め、FCV(燃料電池車)やシリーズハイブリッドなど電気モーター駆動の特徴は、静かで力強いこと。電気モーターはゼロ回転から最大トルクを発生するのがエンジンに対して最大のメリットでもある。そのためI-PACEも車両重量の重さをまったく意識させずに軽快に速度をあげていった。

電気モーター駆動のもう一つの持ち味は、エンジンブレーキに相当する回生ブレーキを人為的に作り出せることで、I-PACEは強弱を設定できる。弱い設定ではエンジン車から乗り換えても違和感のない自然な感覚。強くすれば最大で0.2G程度のそれなりに強い減速度が得られるので、アクセルとブレーキの踏み替え頻度が大幅に下がる、いわゆるワンペダルドライブができるようになる。好みは分かれるだろうが、強い回生でのドライビングにはBEVならではの楽しさがある。右足の微妙な動かし方で完璧に加減速をコントロールするのが快感になっていくからだ。また、減速エネルギーを効率良く回生することが可能になるので電費を改善する効果も高い。

ジャガーは2020年以降に発売するモデルにBEVまたはハイブリッドの電動車を設定する方針を打ち出しているが、そのトップバッターとなったI-PACEは明確に方向性を示してくれた。電動車となろうともドライビング・パフォーマンスと美しいデザインはあいかわらずブランドのコアだということだ。それが実現できなければジャガーらしいBEVおよび電動車の戦略を進めることはできないとばかりに真剣に取り組んできたのだろう。だからこそ、I-PACEはじっくりと作り込まれるとともに、早くからフォーミュラEに参戦し、BEVによる世界初の国際レース、I-PACE eTROPHY選手権を立ち上げるなどモータースポーツでも積極的に下地を作ってきたわけだ。

今後はプレミアム・ブランドから続々とフォロワーが現れる見込みだが、それらに対してI-PACEはかなり高いハードルを築いた。とくに走りのキャラクターの造り込みは見事で、これを超えるのは容易ではないように思えるのだ。

レポート:石井 昌道 / 写真:菊池 貴之