経験者からのメッセージ

死を悩んだことがある方、悩む方を支える立場にいる方に、
経験者だからこそ分かるお話をお聞きしました。

どちらの立場も経験した僕から、
支える側のあなたに伝えたいこと。

澤登 和夫さん

さわとかずお

澤登 和夫さん

うつ専門カウンセラー・精神保健福祉士

1974年生まれ。千葉県出身。
27歳から5年半うつ病を経験。マンションの最上階から飛び降りたことも。
うつから解放された後、約10年にわたりうつ専門カウンセラーとして活動。現在は特にうつの方を支えるご家族や友達、同僚向けのサポートに特化した活動をしている。

「死にたい」と言っている人も、「生きたい」気持ちを持っていることを忘れないで。

澤登さんが飛び降りてしまった時は、どのような気持ちだったのですか。

1つ目は、とにかく解放されたい、楽になりたいという気持ちです。1秒1秒ボクシングのパンチを浴びせられているような、水面にずっと顔をくっつけているような息苦しさが常にありました。
2つ目は、リセットしてゼロからやり直したいという気持ちです。やり直せないというのは分かっているのですが、もうリセットするしかないと思ってしまっていました。

ただ死にたいから飛び降りたわけではないのですね。

死にたいというよりは、生きているのがしんどいという感じでした。だから本当は生きたかったんです。
いくら「死にたい」と言っている人でも、きっと 「生きたい」という気持ちも持っているということを忘れないで寄り添ってほしいです。

分からない前提で、分かろうとしてくれたことが嬉しかった。

悩んでいた時に、周りの方からしてもらって嬉しかったこと、苦しかったことはありますか。

まず、苦しかったのが、親友にうつのことをカミングアウトした時のことです。「大変だな。分かる分かる。」と結構軽めに言われたんです。自分が感じているしんどさを本当に分かっているのか?と思い、距離ができてしまいました。
逆に嬉しかったのは、上司にうつのことを話した時です。上司は、「俺はうつになったことはないから、お前の気持ちは正直分からない。だけど、お前に元気になってほしい。だから、何が苦しいのか、何をしたら嬉しいのかを教えてくれ。分からないから教えてくれ。」と、同じ目線で話してくれました。分からない前提で分かろうとしてくれたのがすごく嬉しかったです。

澤登 和夫さん

まずは日常でできることを大切に。ひとりで抱え込まずにつなげることも大事。

悩んでいる方に気付くためのポイントはありますか。

普段通り接している中で、いつもと違いがあるかどうかですね。ぼーっとしているとか、ネクタイがずれているとか、化粧が荒いだとかが、もしかしたらうつなどの兆候だったりします。そこから声をかけてあげるだけでも、「気にかけてくれる人がいるんだな」と思えて大きな力になります。あまり深く考えずに、日常でできることを大事にしてほしいです。

そんな時、どのように声をかければいいのでしょうか。

「大丈夫?」と言うのも悪くないのですが、そう言われると「大丈夫だよ」と返されてしまうことが多いので、具体的な質問をすると答えやすいと思います。たとえば、「最近何時に寝てる?」「肩こってない?」「ご飯食べられてる?」などです。

澤登 和夫さん

話を聞いて、深刻だった場合は専門機関へつなげることも大切ですよね。

これはすごく大事です。たとえばいきなり友達から「人生やめたい」と言われたら、やっぱりオロオロする方も多いでしょうし、自分で抱えきれない時は必要な場所につなげてほしいです。たとえば相談窓口、精神科、心療内科、市町村の保健センターなどです。ひとりでは浮かばなかった解決策が浮かぶこともあるので、抱え込まないでほしいです。

自分を認め、自分に寄り添う力をつけると、人に寄り添う力も高まる。

約10年のカウンセラー経験から、澤登さん流の悩んでいる方を支えるポイントはありますか。

活動を開始した頃は、とにかく「寄り添う」がキーワードでしたが、約5年経った頃からもう1つのキーワードが加わりました。それは「自己寄り添い力」です。「自己寄り添い力」とは、文字通り自分が自分自身に寄り添う力。自分が自分自身を認める力、でもあります。
うつの方は、自分を認められずに自分を責めてしまうことが多いです。それは家族など支える側の人たちも同じで、たとえば 「私のせいで息子がうつになった」と自分を責めてしまう方が多く、そこを変えていくことも大事だと思ったんです。「自己寄り添い力」を高めるとゆとりができるので、周りの人への寄り添い力も高まる。僕の経験上、「自己寄り添い力」を高めたことで、身近な方がうつから解放されたという方もたくさんいらっしゃいます。

支える側の人たちの「自己寄り添い力」を高めるために、澤登さんはどのようなことをしていますか。

直接言葉で伝えるだけでなく、僕はキャラクターを活用しています。落ち込んでいるキャラクターを、慰めているキャラクターの絵を見せたりして、「どっちも自分だとしたら、どんな声をかける?」と尋ねるんです。すると少しずつ感情が出るようになって、「頑張ってきたね」と答える方や、涙を流す方もいます。段々と自分で自分自身を認められるようになり、「自己寄り添い力」が高まってくるんです。

キャラクター

澤登和夫さんからのメッセージ

澤登 和夫さん

自分の感情を大切に。
力を入れすぎず、支えてほしい。

うつのご本人ももちろん苦しいですが、身近で支える立場の方も、だからこそのもどかしさや苦しみがあると思います。その気持ちに蓋をしないで、書き出してみたり、誰かと共有したりして、自分の本当の気持ち、感情を大事にしてほしいです。
支える期間が長期的になった時は、基本的にはあまり力を入れすぎずに、ちょっとゆるいくらいの方がお互いに間ができていいと思います。
自分自身のゆとりも大事にしていってほしいと思います。

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掲載期間 : 2018年8月29日〜9月28日

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